この記事では、「資金獲得! 非営利団体のリスクマネジメント」と名付けた本サイトの趣旨と活用方法について、簡単にご説明させていただきます。

 

I 本サイトの趣旨

1,本サイト開設によせて

本サイトは、第一に、休眠預金事業の実行団体等の選定を受けて助成金を獲得したいと考える非営利団体の皆様に読んでいただくことを想定しています。

休眠預金事業の助成金を申請する際にはリスクマネジメントに関する規程の整備や提出が求められます。規程の整備が求められる「リスクマネジメント」は、実際には事業を計画どおりに進めるために非常に重要なものになります。しかし、「リスク」という言葉からは、後ろ向きなものという印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんし、事業・実務の次に考えれば足りると捉えていらっしゃる方も多いかもしれません。

BLP-Networkでは、リスクマネジメントに対してマイナスイメージを持たれている方のお役に立てることはないかと考え、本サイトを開設しました。本サイトをご覧になった皆様の規程の整備等に関する負担をより軽減できるよう、できるだけ具体的で実践的な解決方法をお示しすることを意識しています。

 

2,本サイトの目指すところ

本サイトの記事をご覧いただくことで、以下の効果を期待しています。

  1. 助成金獲得に際して、最低限のリスクマネジメント体制を構築することができる(助成金獲得に向けた課題に取り組むに際しつまずきが少なくなる)
  2. 最低限のリスクマネジメント体制構築の過程で、リスクマネジメントの重要性に気付いていただき、実質的なリスクマネジメントに取り組めるようになる

最終的には皆様に、②「実質的なリスマネジメントに取り組めるようになる」ことを目指していただきたいと思っています。ただ、最初からこれを目指すのは、モチベーションや知見の関係で難しいと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、皆様に、①資金獲得に向けた直近の課題を解決していく過程において、②への足掛かりを得ていただく、というのが本サイトの狙いになります(そのため、タイトルもやや緩いものになっております。)。

 

なお、当然ですが、本サイトは非営利団体における各リスクの内容・分析方法とその対応策について扱うものになりますので、資金獲得を目指す団体に限らず全ての非営利団体においてご参照いただけるものになっております。

たとえば、資金分配団体が実行団体に対してリスクマネジメントの体制を整備させるため、あるいは団体内で現実化した・しそうになった特定のリスクへの対応方法を検討するため等にも、ご利用いただけますと幸いです。

 

II 本サイトの活用方法

本サイトの各リスクに関する記事は、基本的に(i)リスクの内容、(ii)リスクの高低の判断方法、(iii)リスクへの対応策の3点で構成されています。(例:「パワーハラスメント」をリスクマネジメントから考える

各記事を(i)から順にご覧いただくことにより、リスクの概要を理解したうえで、自団体でそのリスクをどの程度重大なものであるか検討し、リスクの重大性に応じて必要な対応策を取ることができることを目的としています。これは、リスクマネジメントにおいて用いられる基本的な思考法に則った構成です。

もっとも、各記事相応の分量があることも否めません。そこで、例えば上記①「助成金獲得に際して、最低限のリスクマネジメント体制を構築する」という目的を達成するために、各記事の(iii)「リスクへの対応策」のみをご覧いただくという活用方法もあると思います。

各記事の(iii)では、特定のリスクを実質的にマネジメントするための手法も詳しく掲載していますが、特定のリスクに対応するために形式的に求められる規程の作り方等にも触れています。このような部分を参考に団体におけるリスクマネジメント体制を検討していただくことで、最低限のリスクマネジメント体制の構築に繋がるのではないかと思います。そして休眠預金の実行団体としての申請要件を充足することも可能となるかと思います。

時間的な制約や興味関心等もおありかと思いますので、必ずしも各記事の全体を読んでいただけることを想定して、執筆してはおりません。必要なときに、必要な箇所だけご利用いただく形にも対応できるよう作成しておりますので、肩ひじを張らずにご活用いただけますと幸いです。

本サイトの各記事をご覧いただき、リスクマネジメントの重要性が少しずつ浸透しましたら、我々としてこれほど嬉しいことはございません。

なお、BLP-Networkでは、リスクマネジメントに関する伴走支援事業も行っています。過去の公募結果についてはこちらをご覧ください。

(岡田一輝)